ドラム缶に液体製品を充填した後に製品ラベルを発行することで出荷情報収集やトレース情報管理に活用するのですが、充填を行う設備機器との連動がポイントとなります。またドラム缶へのラベル発行は業界によってトレース実現以外に、GHS(※1)ラベルと呼ばれるラベル発行への応用が可能です。ここでは一般的にドラム缶やポリ容器などへの製品ラベル発行を元にトレース実現方法をご紹介したいと思います。
※1:Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicalsの略
化学品の危険性に関する国際的な危険有害性分類基準と表示方法。
この記事の目次
・ドラム缶やポリ容器の充填時のラベル発行を実現
・トレース対応と同様にGHSラベル発行の対応も可能
・各業界の出荷ラベル運用と出荷ラベルの起動画面の紹介
ドラム缶やポリ容器の充填時のラベル発行を実現
中国で多く見かける運用の一つとして、液体製品をドラム缶やポリ容器に充填し製品ラベルを貼り付け出荷を行う場合、基本的な必要情報が事前に印刷された製品ラベルを準備しておき日付やロットはスタンプやインクジェットで印刷し、ラベルを貼り付ける運用があります。
この運用では製品に個体認識のバーコード印刷がされてない場合が多く、出荷時にハンディーターミナルで出荷実績収集などの運用がされていないため、手書きで個体数量やロット情報を記録し、その後Excelに転記をしてトレース管理をしている場合が非常に多く、作業精度・作業効率が高い運用方法と言えないのが実情です。
弊社システムとしてはドラム缶やポリ容器に充填をする際に、電子はかりと連動を行い重量計測したキログラム表示、または充填側機器とプリンターを連動し液体充填量など機器側の情報を連動させ必要な情報を製品ラベルに印刷が可能です。
※連動を行わない運用も可能です。
充填したドラム缶やポリ容器はそのままコンベアで流され封緘された後、センサーでドラム缶の個体認識を行い、充填時の情報を連動させ製品ラベルを発行します。
ラベル貼り付けの作業については手作業または「自動貼り機」という専用のラベル貼り付け機器でラベルをドラム缶やポリ容器本体に自動的に貼り付けも可能です。貼り付け箇所は側面、充填口がある面など選択が可能ですが、貼り付け箇所やドラム缶やポリ容器の形状により「自動貼り機」の仕様変更が発生します。
トレース対応と同様にGHSラベル発行も可能
先ほど紹介した運用を利用するとGHSラベル発行運用にも応用が可能となります。現在製品別に印刷した各種GHSラベルの在庫を保管して貼り付け運用をしている場合、各種製品のGHSラベル在庫が必要ですし、各ラベルの注文の最小ロット数も多く、製品に貼り付ける際にロットや製造日付、重量などの表記はスタンプ対応、貼り付けた製品の管理はExcelベースの管理となり、あまり作業効率が高い運用とはいえません。
GHSラベルもラベルプリンター発行の運用に変更すると、GHSラベルは統一ラベルで運用が可能となり在庫が圧縮され各製品別の在庫を気にする必要は無くなります。また発注の最小ロットも統一ラベル発注となり各製品別の発注と比べは発注量が少なくなります。ラベル発行時に必要なロット、製造日付、重量などの表記はプリンターで印刷となり綺麗な文字表記を実現します。必要であればロットや製品コード、日付情報をQRコードに保存しラベルに印刷することも可能です。
各業界の出荷ラベル運用と出荷ラベルの起動画面の紹介
各業界の出荷ラベル運用については以下の記事にて更に詳細をご紹介しています。
「食品の回収リスクを激減する出荷ラベル追跡トレースシステム」
「自動車製造品の出荷ラベルを利用した回収トレサビリティシステム」
「製品ラベルと保証書をセンサー連動発行で家電回収のトレースを実現」
「中国トレース運用で必須の出荷ラベル発行ソフト画面を紹介」
「物量の多い出荷回収に効果を発揮。自動貼り機を連動した出荷ラベル運用」
「金属加工品の追跡管理に。計量を連動するラベル発行システム」
「家電品リコールに製品ラベルと企業サイト連動トレーサビリティ」
「出荷からトレース管理を始めよう。業界別の出荷ラベルフォーマット紹介」