「完成品の在庫管理の返品処理とトレーサビリティー運用事例の紹介」で出荷ラベルを発行して個体認識を行った製品の在庫管理の入庫と出荷を通じたトレーサビリティーデータ収集の事例をご紹介しましたが、実際に出荷した製品がリコール対象となり、工場に戻ってきた場合は、どのような対応をシステム内で行う必要があるのでしょうか?
ここではリコールされた製品をトレーサビリティーするための運用や、トレース後に工場で行う運用をご紹介したいと思います。
この記事の目次
・製品返品後のトレース運用の流れの紹介
・在庫管理システムを使ったリコール対応時の工場での作業の紹介
製品返品後のトレース運用の流れの紹介
工場から出荷した製品が消費者または顧客工場の手に渡り問題が判明した場合。消費者または顧客工場からクレームの連絡がお客様窓口や工場の営業担当者へ通達があり、クレームとなった製品は工場に回収されるかと思います。
回収された製品の出荷ラベル情報をスキャナーで読み取り、在庫管理システムの出荷履歴データを利用して「出荷された日付やロット情報」などを収集して、原因の分析追求を行います。また各工程に問題点を落とし込み詳しい原因特定を行います。
在庫管理システムを使ったリコール対応時の工場での作業の紹介
リコール製品が生じた場合に工場内ではどのような作業を行うのでしょうか? 工場内の調査として製品のどの部分が問題で、どの工程で問題が生じたのか、各工程を遡りながら調査を行います。
またリコール対象となった製品が工場の完成品倉庫内に在庫として保管されているか在庫管理システムより確認を行い、同様のリコールに繋がる可能性がないか、実際に製品の確認を行います。
製品の原因が製造工程の問題ではなく、製造工程前に関する場合。例えばサプライヤーから仕入れた原料や部品などに関係があるか、調査を行います。
社外的な対応として同一ロット製品がリコール対象になると判明した場合は、在庫管理システム内の出荷履歴を活用して出荷先と出荷された製品のロット情報や出荷した数量を元に、出荷先の特定と回収の指示を行います。
またリコール製品がサプライヤーからの仕入れに関係する場合は、対象となるサプライヤーへリコールが発生した状況を伝えて、原料または部品の確認依頼を行います。
原料や部品管理も同様に原料品や部材品の在庫管理システムを導入して管理をすると、サプライヤーの特定また対象となった原料の入庫日やロットなど調査が行いやすくなります。
如何でしたか?「出荷ラベル発行ソフト」では履歴データのみの管理しかできませんが、在庫管理システムを導入してトレーサビリティー管理を行うと、出荷先の特定やリコール製品の工場庫内の在庫状況の有無の把握など、より詳細に問題の追求を簡易的に行うことができます。
江蘇省蘇州や昆山地区、浙江省平湖地区など上海近郊に限らず、天津地区・内陸の湖北省武漢地区、広東省深圳地区などでも同様の在庫管理システムやラベル発行システムをご導入いただいております。在庫管理システムを用いてトレーサビリティー管理を実施したいとお考えの責任者の方、ご興味がありましたらお気軽にご相談ください。