弊社が実際に導入している中国の飲料業界向けのトレーサビリティーシステムを元に、飲料製造のどの工程をシステム化し管理することでトレーサビリティーシステムを構築して運用できるのか、ご紹介したいと思います。
この記事の目次
・飲料製造工場の各工程のシステム化のご紹介
・飲料製造工場のトレーサビリティー化のポイント
飲料製造工場の各工程のシステム化のご紹介
ペットボトル飲料を製造している工場のトレーサビリティーシステム導入に関連する主なポイントを、それぞれの工程に分けてご紹介したいと思います。
(1)原料管理用の「原料ラベル」を発行
「原料ラベル」とは、原料を入庫した後に各原料に対して貼り付けるラベルです。このラベルに原料情報や入庫日付などの情報を記録管理します。
(2)製造開始前に「計量ラベル」を発行
「計量ラベル」とは、製造開始時に「調合表(レシピ表)」を元に、調合に必要な原料を「電子はかり」で計量して容器に移し替え、容器に貼り付けるラベルです。このラベルには調合して完成する製品名称、原料名、次の工程などの情報を記録管理します。
(3)計量後に原料を投入
(4)投入した原料を調合
計量後は原料を投入して製造を開始し、原料や水などを調合して完成した液体を冷却後にペットボトルへ充填を行い、製品の不備をチェックした後に段ボールに梱包されます。
この部分の工程はお客様の管理要望に合わせて、投入機器や充填機などとトレーサビリティーシステムを連動させます。
(5)出荷する際に出荷ラベルを印刷
箱詰めされたペットボトルはパレットに積まれて出荷しますが、パレットへ積載を行うタイミングで自動ラベル貼り機を使い、自動的に段ボール箱へ「出荷ラベル」を貼り付けます。
飲料製造工場のトレーサビリティー化のポイント
(1)から(5)でご紹介した部分で、ラベル発行や発行したラベルデータを収集して、製造工程の情報をトレーサビリティーに活用します。
場合によってはラベル情報の収集だけではなく、製造工程で利用する機器との連動(PLC)などが必要となります。これは機器の生産時間の取得への活用、機器自体の稼働と連動する場合があるためです。
この製造機器の連動については、機器メーカー様との打ち合わせを行い、導入している機種がどのような連動が可能か確認の上、開発導入を進める必要があります。
トレーサビリティーへの取り組みはお客様の運用状況やトレーサビリティー実施の目標とする指標などで異なりますが、基本的な概念や管理を行う工程などは今回ご紹介した運用が基本となるかと思います。
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