ラズベリーパイ(ラズパイ)をご存知でしょうか?甘酸っぱいベリーが沢山乗ったパイの話ではなく、製造工場のデータ収集での利用に広がりを見せている小型パソコンの事です。
今回は弊社顧客向けに導入した超小型パソコン、ラズベリーパイの導入実績について、カンタンなご説明を交えてご紹介したいと思います。
この記事の目次
・ラズベリーパイの紹介と運用メリット
・ラズベリーパイを活用したトレースデータ収集の実績紹介
ラズベリーパイの紹介と運用メリット
ラズベリーパイはARMプロセッサを搭載したシングルボードコンピュータ。イギリスのラズベリーパイ財団によって開発されました。
小型パソコン、ラズベリーパイ特徴とメリット
ラズベリーパイは拡張性が非常に高く、有線・無線LAN、カメラ・スキャナー・マウスなどの外部入力装置、ディスプレー・スピーカーなど外部出力を接続して利用が可能です。
一般的なパソコンやタブレット式PADと比較すると、省スペース・低価格・先程紹介した豊富な周辺機器、周辺機器を組み合わせる事で一般的なパソコンのように上位システムとの連携も可能な点がポイントです。
ラズベリーパイを活用したトレースデータ収集の実績紹介
お客様の運用の問題点
弊社お客様の各生産ラインで製造中の製品の実数は製造時に備え付けの実績記入シートに手書きで記入。一日の作業の終わりに回収して翌日の朝、データを集計し担当責任者や日本人責任者に提出する運用を行っていました。
問題は手書きデータであるので実績数に記入ミスの発生。16あるライン実績を就業終了時に回収して、翌日業務側が手計算でExcelフォーマットに入力で転記間違いが発生していた点。
結果判明が作業終了後の翌日になっていた点が問題でした。
ラズベリーパイを活用したデータ収集モデル
お客様の製造環境は生産ライン数が16ラインあり、各ラインの設置スペースの確保難、パソコンやタブレットでの運用は費用の面から難しい点がありました。
また実稼働は24時間稼働ではなく残業込みでも12時間以下の稼働時間と運用条件も比較的厳しい要求が無かったため、小型パソコンのラズベリーパイ導入をご提案しました。
導入したラズベリーパイの現場仕様
各ラインには実績収集するバーコードスキャナー用USB、結果を表示するディスプレー接続、データ転送を行う有線LANを搭載したラズベリーパイを設置。
製造された製品に貼り付けられたQRコードを各ラインでスキャン。スキャンされた数量は実績管理サーバーに保存され、各ラインに設置した液晶画面に予定数と実績数を比較して表示されます。
梱包区ではハンディ端末を利用して出荷箱に梱包した製品入り数を収集しトレース出来る仕組みの導入のご要望があり、生産ラインでのデータ収集にラズベリーパイの仕組みを導入しました。
システム導入後のお客様の声
まずは現場スタッフの意識の改善があった事。各ラインに生産予定の数量と実績の数量が数値とグラフで表示されるので、作業に対しての目的意識をさせることが出来た点。
また隣り合った生産ラインの作業状況が分かるので、隣り合った生産ラインの状況も意識しながら、作業に取り組むようになった点。
各生産ラインはチーム制で作業を行っているため、明確に数字が表示された事をキッカケに毎日午前と午後のタイミングで当日の予定生産数に対しての作業時間の段取りをチームで話し合うようになり、数字に対する意識改革にも繋がりました。
また元々問題であったデータ収集のミス、翌日に集計されるデータについては、QRコードとスキャナー運用でヒューマンエラーが無くなり、リアルタイムに集計データが判明するので、集計作業が無くなり作業効率と経営報告が格段に上がりました。
まとめ
実績データなど現場のデータ収集を手書き運用中でシステム化を検討中のお客様。
生産ラインの都合で省スペースのシステム導入を考えている。タブレットなどのハード機器の費用を抑えた形で導入を検討している。
中国の製造拠点に実績収集とデータトレースの導入をご検討中の場合は、弊社までお問い合わせください。日本人営業スタッフがご連絡いたします。