トレースを実現するためにバーコードを活用しデータ収集を行いますが、バーコードスキャナー(バーコードリーダー)と同じくデータ収集を行う機器として利用されるのがハンディターミナルと呼ばれる機器です。携帯端末のような小型端末にWindowまたはAndroidのOSがインストールされ、バーコードを読み取る装置が搭載されています。ここでは各種ハンディターミナルの紹介をしたいと思います。
この記事の目次
ハンディターミナルの紹介
ハンディターミナルは大きく二種類に分かれます。一つ目はバーコードを読み取るバーコードスキャンタイプ、もう一つがRFIDと呼ばれるICチップを読み取るRFIDスキャンタイプです。(RFIDスキャンタイプにはバーコードスキャンも搭載しています)RFIDタイプは工場の運用において対象商品の洗浄作業が行われる場合など一部運用ではラベル利用が出来ない場合やトレース対象となる製品を一括して読み込みたいなど運用要望により機種選定を行う必要があります。
ハンディターミナルに搭載されるOSは一般的にWindowOS、AndroidOSに分かれメーカーによっては独自で開発されたOSが搭載されたモデルが販売されています。中国では基本的にはWindowモデルまたはAndroidモデルが多く流通されています。
ハンディターミナルの形状としてはストレートのバータイプまたはグリップが付いたガンタイプがあり、種類としてはバータイプのハンディターミナルが多く流通されています。バータイプは片手でスキャンしボタン操作が行えるため、スキャンとボタン操作を交互に繰り返す運用に向いており、ガンタイプは握りやすく疲れにくいのが特徴的でバーコードやRFIDを一度に連続して読み込む作業が多い運用に向いています。運用の操作目的を踏まえて導入する機種を選定いたします。
ハンディターミナルの画面操作は二種類に分かれておりボタン操作またはタッチパネルの操作になります。ボタン操作は機器に搭載されている矢印キーやテンキーなどを操作し画面内の項目移動や入力などを行います。タッチパネルの操作は指や付属のペンで画面をタッチしボタン操作を組合せて行います。ボタン操作は直感的な操作が難しく画面とボタンの関係性を最初に覚える必要がありますが、タッチパネルモデルより画面強度を強く保てる機種が多いのが特徴です。
タッチパネル式は画面に直接触れることができ直感的な操作が出来るのが特徴ですがボタン式に比べて画面強度が多少弱い点が特徴です。入力項目が多い場合はタッチパネル式が採用され、ワンチェックなど比較的入力作業が少なく作業操作が簡易的な場合にボタン式の採用をお薦めしています。
画面への入力操作が多い場合は操作を重視して画面サイズが大きいハンディターミナルの選定、ワンチェックで画面操作が完結する場合はボタン式の選定、現場環境が特殊で粉塵などが多い場合は防爆タイプの選定など、お客様の運用用途に合わせて機種の選定を行っております。
ハンディターミナルのQ&A
ハンディターミナルを導入しなくともスマートフォンで機能が足りるのでは?
ハンディターミナルは工場や物流など企業向け専用機能が搭載された製品です。スマートフォンでは過酷な工場運用には向いていません。AndroidOSのスマートフォンに搭載されたカメラでスキャンを行えば、ハンディターミナルと同様の作業が実現すると思われる企業様も多いのですが、スマートフォンは一般消費者向けに製造された品です。ハンディターミナルは強度や耐落下など過酷な工場運用に耐えられるように設計・製造されています。
過酷な工場以外だったらスマートフォンでも対応が可能という事ですか?
一概に言えませんが作業効率に影響を与えるためオススメしておりません。ハンディターミナルに搭載されるスキャナーはレーザーで読取るため、バーコード認識の速度が早く作業現場が暗い場合でもレーザーでバーコードを認識するため読み取ることが可能です。
スマートフォンの場合はカメラでバーコード認識を行うため、作業現場にスマートフォンを導入するとカメラがバーコードを認証しない、認証しても読み込みに時間がかかる場合があります。
現場運用ではバーコードを連続して読み込む作業が多く、明るい暗いなど作業現場の環境条件も様々であるため、スマートフォンを使ったスキャン運用は作業効率の面からも余りお薦めしておりません。